以前は「ちゃんと野菜を食べないと身体に良くない」と言われたものです。それが、ベジタリアンを公言している今では、「一体何を食べて生きているのか?」と問われるようになりました。答えは簡単です。私は肉、魚、貝、乳製品以外のものを食べて生きているのです。牛乳を飲まずにカルシウムをどうやって摂取するのかと尋ねられることもありますが、カルシウムは、ホウレンソウやチンゲンサイなどの野菜や、ワカメなどの海藻に豊富に含まれています。世の多くの人々は、肉や魚を食べないのは身体に悪いと思い込んでいますが、何を根拠にそう思いこんでいるのでしょう?肉や魚が健康な身体づくりに不可欠というのは、私は偏見だと思っています。実際、野菜は美容や健康に良いと言われています。しかし、私は健康を目的にベジタリアンになったわけではないので、菜食の効能をここで力説しようとは思いません。
私の主食は、白米、玄米、黒米、赤米、うどん、そば、パスタといった穀物です。あとは豆腐、納豆、それから各種の野菜。パンは乳成分の入っていないもの。牛乳の代わりに豆乳を飲みます。私は市販の卵は食べませんが、うちで飼っているチャボの卵は食べてもよいことにしています。チャボが毎日産む卵は、放っておくとどんどん増えていって腐ってしまいます。かといって捨ててしまうのもはばかられます。それに、うちのチャボが産み落とした卵を拾って食べることは、動物を虐待する畜産業に寄与することにはなりません。殻を割ってチャボに食べさせることもあります。
ポール・マッカートニーはPETAのインタビューで「あなたは素晴らしいヴィーガンのお子さんたちをお育てになりましたが、子供がベジタリアンやヴィーガンになることを心配している人がいたら何と言ってあげますか?」という質問に対して、このように答えています。「私たちがいつも言っているのは、ベジタリアニズムは動物虐待の削減や地球資源の保護に有効であることです。また、健康にも良いということは今では医者も認めていると思います。これが最初のステップです。次のステップは、スーパーに行っておいしいベジタリアン向けの食品を探してみることですね。最近は簡単に手に入るようになりましたよ。難しいことはありません。もし心配ならば、事実を確かめて、詳しく調べて、やってみることですね。」(『Animal Times』2005 Summer)残念なことに日本ではどのスーパーにもベジタリアン向けの食材があるという状況ではありませんが、工夫次第で簡単にベジタリアン生活を送ることができます。