AI は反芸術つまり既存のアートの再定義、破壊行為として有効だと考えています。音楽でもそうですが伝統技術と新しい技術、あるいは古いスタイルと新しいスタイルの相克という歴史があります。かつてサンプリングとかコンピュータが出てきた時にアーティストたちはアカデミックな楽器演奏とは全く別の方法で音楽を作る技術を発見、開発しました。今やそれは当たり前になっている。どちらが優れているという問題ではなく、どちらの手法を使うかという問題です。

生成AIアートは全く別の方法でアートを作る新しいツールなわけです。面白いことに反AI論者たちは私がAIで作ったアルバムカバーを取り上げてケチをつけてきます。アルバムカバーは本来、純粋アートとして考えられていません。まして、私もそんなつもりで作ってはいない。はっきり言ってアンダーグラウンド/ポップカルチャーはジャンクでいかがわしい性質なものなのだからAIアートについてだけ高尚な倫理観を押し付けられても困りますね。

私はかつて絵を手で描いていましたが、ある時期からコラージュをするようになりました。コラージュはサンプリングと一緒です。その頃は雑誌の写真をハサミで切って糊で貼って作っていた。それが次にPhotoshopなどのアプリケーションで作るようになった。AIアートはその延長線上にあるわけで全く違和感がない。私は著作権や知的財産権を侵害するコンテンツを生成しないように開発されたAIツールを使ってプロンプト入力の他に自分で作った作品をアップロードして作品を生成しています。

私が現在生成AIアートで取り組んでいるのは主に中世ルネサンスやマニエリズムなどの絵画スタイルによるシュールな世界です。崩壊するビルなどはモンス・デジデリオ、たくさんの動物や異生物のいる風景はヒエロ二ムス・ボスやブリューゲルなどの影響を受けています。もちろん彼らの作品画像を入力したりはしていません。私が好んで使っているAIツールはこのようなファンタジックな世界を作り出すことに特に適していると思います。

私が好きなのはSun Raや70年代のプログレ、90年代のデスメタルのアルバムカバーなどによく見られるしょぼいシュールリアリズム、エセ近未来宇宙ファンタジーの世界などです。
これは単に私の趣味の世界なのでこうした画風が嫌いな人もいるでしょう。また画風だけを見てアナクロニズムと見えるかもしれないが本質は違う。言うなれば最先端ジャンクアートでしょうか。

(以上は個人の考えです)